たくさんの人の支えを実感した開業

すずメンタルクリニック(豊中市)
院長 関本 鈴香

 この文章が掲載される1年前の2月頃、1年後に開業しているとは予想もしていませんでした。つくづく先のことはわからないと思います。 さて、昨年の春に開業を決意してからは、自分で物件を探し、コンサルタントに相談しながら、一つ一つ準備を進めていきました。

開業前の忙しさは、先輩開業医から聞いていた以上でした。勤務医として通常の業務をこなしながら、家事もしておりましたので、開業前1か月は、睡眠や食事の時間すら満足に確保できず、2013年後半は、これまでの人生の中で最も忙しい半年になりました。

開業準備をして驚いたのは、1つのクリニックを作るために関わっている人の多さでした。内装一つをとっても、10社以上が関わってくれています。

考えてみれば、毎日、何気なく食べているお米にしても、農家の人が作ってくださってから私たちの口に入るまでにたくさんの人の手を介しています。

当たり前のように思っていたことが、実は、非常にありがたいものだということに気づかせてくれました。

私の夫は外科医なのですが、貴重な休日を私の開業準備につきあってくれましたし、息子は、クリニックのチラシをポスティングしてくれました。しみじみ、家族のありがたさを感じました。また、優秀なスタッフにも恵まれ、小さなトラブルはあるものの、クリニックは順調に進んでいます。

2013年11月に開業して2カ月が過ぎた今、「すずメンタルクリニック」は、私一人のものではなく、たくさんの人の力で誕生したのだと強く感じ、勤務医時代にはなかった充実感とワクワクを毎日感じています。

地元の皆様に愛されるクリニックにしたいという今の気持ちを忘れないように、これからも頑張っていきたいと思います。

[勤務医ニュースNo. 117:2014年2月25日号に掲載]