仕事と子育ての両立をめざして

金山眼科(中央区)
金山 善美

 今年の7月で開業して1年になります。

ここまで病気もせず、無事に診療を続けてこられたことに感謝しています。思い起こせば、開業を考えたのは新築の家を建てる時でした。当初は自宅開業を検討しておりました。

私の両親は自宅開業であり、1階と2階を往復する姿を見て、開業医は時間の自由度があると思えました。自宅で仕事をしながら子供の様子も分かるし、通勤時間はゼロと、大変時間効率がいい仕事だと思っておりました。
そこで我が家の診療圏調査を医業コンサルタントに依頼したところ、厳しい数値結果が返ってきました。安易な気持ちで自宅開業を考えていた自分の甘さに気が付きました。

そんな折に、立地もアクセスもよい難波で開業する機会に恵まれました。当初は幼少な子供たちの事が気掛かりでしたが、主人や両親の協力もあり、今は家事、育児、仕事全てが順調に運んでいます。

開業当初は患者さんが少なくて心配していましたが、1年が経ち少しずつ認知されてきて、ようやく軌道に乗り内心ほっとしております。眼科スタッフも開業以来、誰一人辞めずに頑張ってくれているのも感謝しています。お互い助け合いながら気遣っているのが分かり、患者さんに対しても私がいつも心掛けている患者さんの立場になって応対するという方針についてきてくれてます。患者さんにもその気持ちは伝わり、定期的に通院してくださる患者さんも少しずつですが増えてきております。

家族の協力を実感しながら診察する一方で、開業して苦労したことは、やはり母親としての子育てとの両立です。勤務医時代と比較すると診察以外にもすべき仕事が多くて、帰りも遅く子供たちと触れ合う時間が少なくなりました。帰宅すると下の子は寝ていることもあり、寝顔を見ると申し訳ない気持ちでいっぱいになります。上の子は毎日私の帰りを待っていて 「ママと寝る」と待っています。添い寝しながら寝てしまうと、主人が洗濯物を干してくれたり洗い物をしてくれていて、家族の協力があってこの開業が成り立っていることをしみじみ実感しております。こんな母親ですが、長い目で見れば子供たちはきっと今の私を理解してくれると思うのです。

土曜日の昼休みに主人が子供たちを私の診療所に連れてくると、幼いながらに分かるのか、6歳の息子は「僕もお医者さんになる」と言ってくれます。幼稚園でも金山眼科の宣伝をしてくれているみたいです。ママが頑張っている姿を幼いながら分かっていてくれているようで、そんな子供たちの姿が励みになっています。

どんなに仕事で疲れて帰っても、家族の前ではいつも笑顔を心掛けています。これからも色々な事に直面すると思いますが、患者さんのため、家族のため、そして自分のために精一杯頑張っていきたいなと思っております。

[勤務医ニュースNo. 116:2013年12月15日号に掲載]