困ったとき相談相手を見つけ、あとは謙虚な気持ちで

安田クリニック(岸和田市・内児科)
安田 雅章

 東岸和田で開業してもう9年になります。開業時は意気込んでおり、祭日以外、日曜も診察をしていました。しかし、患者さんのニーズもそれほどなく、従業員の確保が困難となり、2年で日曜日の診察を止め、徐々に診察時間も変更し、この春からはやっと木曜日の午後診も休めるようになりました。

開業当初は近隣の先生へ連絡しようとしても、診察時間が過ぎてしまうと連絡がつかず、なぜだろうと思っていましたが、徐々に時間外に電話してくる人にはいろんな人がいることがわかりました。立て板に水のごとく喋るマンションのセールスマン。時間外に必要性のない点滴をしてくれという患者。わがままな欲求を述べられ、電話を取った事を後悔してしまうこともあり、先人たちの苦労が理解できるようになりました。

また、患者さんから新聞に載っていたあの治療はどう? と聞かれることがあり、新聞にもほぼ目を通すようになり、政治、経済にも関心を持たざるを得なくなりました。勤務医のときは、ただ単に患者さん、病気のことだけを考えて診療をしていましたが、今では患者負担、医療経済、医業経営等も考えながらしています。残念ながら、検査の必要性を十分に説明しても同意が得られないこともあり、そのときにはその旨をカルテに記載して、保身を図るようにしています。

最近は医院経営が順調というわけでもないのですが、半分諦めの境地となり、暇を見つけては、いろんなことにチャレンジしています。ライオンズクラブに所属し、時間があれば奉仕活動もしています。昨年は富士登山、今年は泉州マラソンに挑戦しましたが、いろんな難関を越えて、皆さんの温かい声援のお陰でなんとか完走できました。今夏は富士登山競走のスタート地点に立つことを夢みながら診察しています。

最後に開業して思うことは、色々なこと(患者さんが少ないけど大丈夫かな? こんな業者がきたけどどうしたらいいの? こんな病状やけど、どうしたものか? 職員が辞めたけど…とか)を相談できる開業医友達、保険医協会、医師会を味方につけて、謙虚な気持ちで仕事をすれば何とかなるのではということです。取り留めのない文章を最後まで読んでくださり、有難うございます。少しでも参考になれば光栄です。

[勤務医ニュースNo. 88:2009年4月15日号に掲載]