あっという間に 3 年~笑いを診察に取り入れて
大正区 にしもと耳鼻咽喉科
西幹 二郎
あっという間に 3 年目、と言うのが今の実感です。
患者さんの事を考え、スタッフの事を考え、あれが足りない、これが無い、あれはどうする、これはどうした、で、あっという間に 1 日が…。
レセプトをチェックし、仕上げて提出して、今度はスタッフの勤務時間の計算、給与計算をしていて、ふと自分の給与がないことに気がつくも、悩んでいる暇もなく、薬の在庫チェックをしてその支払をし、終わったと思うと、また、次月のレセプトの用意と、あっという間に 1 ヶ月…。
大掃除、正月休みがやっと来たと思うと、直ぐに夏休みが過ぎ去って、いつの間にやらまた年賀状と、あっという間にまた 1 年。
とにかく毎日雑用で振り回されます。
開業して思うことは、今までの大学、市中病院勤務とは違い、病人を診察するだけでなく、スタッフの管理、また、医院の運営、管理、果ては医院の床のモップ掛けなど、すべての事務を求められると言うことです。
もうすぐ 3 年となって、今は雑用にも次第に慣れてきました。
しかしながら私もへばって、バテバテの時も多くありますが、そんな時もできるだけ明るく振る舞うようにしています。できるだけ笑いを取り入れるようにしています。ただの笑顔や微笑よりも、心底より豪快に笑えるように持っていくのです。というのも、笑いは本当に病気の患者さんにとって、いい薬になると思うからです。
確かに笑いは、免疫を活性化して治癒力を助けるとは言われていますが、本当に治癒力が強まります。元気が出ます。子供もです。じっちゃんも、ばっちゃんも、踊り出します。笑いすぎて吹きだして、入れ歯が飛んできます。つばも痰も、鼻血も飛んできます。差し歯も抜けます。
私は耳鼻科ですが、子供の乳歯を母親に頼まれて抜くことになり、そこにあったペンチで抜こうと思ったのですが、逃げられてしまったので、仕方なく歯にひもをつけて、ゲームをして笑った瞬間に引っ張って抜いたことがあります。
笑いは結構、治療に役立つように思います。
医院は、どんな患者さんも、早く元気になるという希望、否、夢を与え、助ける憩いの場だと思います。たとえ完治出来ない耳鳴りの患者さんも、「治らない、良くならない」と、何時までもくよくよしながら過ごすよりも、「いつでも夏の森のセミの声が聞こえていいよー」、と笑いと余裕を持ち、「それに最近、だんだんセミの数が少なくなってきたよ、治って来たよ」、と言う具合に過ごせる方がいいのは、言うまでもありません。
これからも、もっともっと笑いを診察に取り込みたいと思う、今日この頃です。
[勤務医ニュースNo. 63:2004 年 9 月 25 日号に掲載]