地域の安心の灯台として、 気軽に相談できる クリニックを目指して
2023年9月に、私の故郷である吹田市津雲台に開業しました。今年は大阪・関西万博の年ですが、クリニックは太陽の塔で有名な70年万博につくられた‘千里ニュータウン’の中にあります。緑豊かな閑静な住宅街で、昔懐かしいちょっと‘さびれた商店街’の一角にあります。駅チカではないので患者さんが来てくれるか心配でしたが、「通えるときには外来に、通えなくなったら訪問診療に行きます」というスタイルが功を奏し、結構忙しく走り回っています。
開業は体力だ!と実感しています
資金がなかったので、ベッドや診察机、事務用キャビネット、職員用ロッカー等は何人もの人から譲り受け、汗だくで運びました。開業は体力だ!が今まで続く思いです。いろんな人の思いがぎっしり詰まったマーブル模様のような診療所です。
クリニックの質ってなんでしょう? 大切なのは人だと思います。開業して最大の悩みがスタッフ問題で、人間関係などのトラブルが重なると院長失格の烙印を押されたような気持ちになったこともありました。しかし先日、友人が素敵な言葉(「あ・お・い・く・ま」)を教えてくれました。これは芸人のコロッケ氏が母から教えられた心の持ち方で、「あせるな・おこるな・いばるな・くさるな・まけるな」との話です。振り返ればこの2年間で、何人ものスタッフが入れ替わりましたが、一方で様々な気づきを与えてくれました。人柄のよいスタッフたちの粘り強い心意気が現在のクリニックにつながっています。
スタッフ、患者、家族、ご近所さんにも支えられています
診療所のモットーは、『地域の安心の灯台として、気軽に相談できるクリニック』です。
健康は社会で活動する上で、また生涯にわたって生きていく上で最も基礎となるものです。しかし、四季のように生老病死という四つの苦しみも必ずやってきます。〇○病と名前のつくものばかりが病気ではなく、苦しい、つらい、助けて、しんどい~など様々な‘主訴さま’がやって来たら、一生懸命に「聴き」、安心して弱音を言える場でありたいと思っています。病気などの苦難に負けず、たとえ倒れても立ち上がり、乗り越え、勝ち越えていくところに人生の真の幸福があり、喜びがある。その患者さんの人生劇場に私たちが加われることに存在意義があると考えています。
開業当時、ご近所の方から寄せ植えを頂きました。開業して2年以上経ちますが、植物が絶えたことはありません。今もクリニックの玄関にはプランターと、待合には、外来通院のおじいちゃんが作った壺に、庭で咲いた梅や水仙などが飾られ、患者さんとスタッフの心を癒してくれています。感謝を忘れず更に素敵なクリニックにしていきたいと思います。
