想定外も多く苦労もありましたが、専門性を活かして診療ができています
令和6年5月に高槻市古曽部町(高槻病院から徒歩1分)に「けいしょう内科クリニック」を開院しました。標榜診療科は糖尿病内科・内分泌内科・内科です。平成7年に三重大学を卒業し神戸大学旧第三内科医局に入局、兵庫県内の関連病院を経由した後、平成21年から高槻病院に勤務してきました。10年以上も勤務していると、外来患者さんがどんどん増えてパンク状態になり、しかも気がつけばいつの間にか私が糖尿病内分泌内科のトップとなりました。
そのような時を経て、私も50歳を過ぎて、これから先どうしようかと思うようになりました。いずれは高槻病院を退職するでしょう。でも、末永く高槻の地で患者さんを診療し続けたい。それなら開業も選択肢かなと、令和4年ごろから思うようになりました。聞くところによると、新規開業医の平均年齢は40代とのこと。当時、私は53歳、しか経営に関しては未知の領域です。ただ、行動しないといけないと思い、コンサル会社何件かに相談し、少しずつ開業の勉強をするようになりました。そして令和5年の1月に、思いのほか高槻病院のすぐ隣に好物件が見つかりました。このチャンスを逃せばもう二度と開業できないと思い契約しました。ただ、病院の勤務をしながらの開業準備はかなり大変でした。あっという間の一年間で、令和6年5月に無事開院しました。
しかし、本当に大変なのは開業後です。診療に関してはプロでも、経営と人事管理に関しては素人。病院時代と同レベルの外来をしたいと欲張り、院内で検体検査システムを確立しました。高槻病院時代の患者が多数来てくれたのはありがたかったですが、臨床検査技師を新たに雇用したり、検査機器の試薬代が意外とコストがかかったりと、想定外のことばかりで苦労が絶えませんでした。また、私の妻も「内助の功」で経理面など私のサポートに入ってくれましたが、妻からは「あんたは経営のこと何も知らん」といつも愚痴られています。ただ、開業してよかったことは、患者さんの目線に立ち、患者さんとスタッフとの距離が近いこと、患者さんの気持ちに親身になって考えるクリニックづくりができたことです。
開業して半年が経ちました。四苦八苦しながら、一応何とかクリニックの形にはなりつつあるかな?と思う今日この頃です。糖尿病・内分泌の専門性を生かしつつ、高槻の地域医療のために頑張っていきたいと思います。