1人の医師であると同時によりよき『経営者』

こじまクリニック(此花区)
小島 研太郎

 昨年11月1日に開業して、もうすぐ1年が経過する。
 まず私を助けて下さった全ての方々に感謝を申しあげたい。
 この1年、私は「開業医」は「経営者」であるとの思いを強くした。
 保険診療の枠内で、商品(医療)を提供し、それを買って頂く(来院して頂く)。保険診療の枠を知る為に、保険請求に関する書物を読み、加点についても研究する。その中で自分の思いや夢をどのように従業員や顧客(患者さん)に浸透させることも大切になってくる。もちろんクリニック経営も商売であることには変わりないので、収益、集客、サービスに関してのことは常に頭の片隅に置いておかなくてはならない。保険診療の枠内なので、他のクリニックとの差別化は簡単には図りにくい。周辺のクリニックがどのようなサービス、接客を行っているのか絶えず情報収集することは必要である。よく先生の人柄、サービス、戦略が集客の鍵と言われるがどれも一朝一夕でできるものではなく、収益に結び付くのに時間がかかる。収益に結び付かなくても、人の意見に惑わされることなく我が道を貫く意志も必要となる。開院当初は手間・暇・時間・お金もかかるので、自分の時間やお金は二の次と考えなければならない。「開業医」は医療面以外のことに時間を割かなければならない。これらはすべて会社の経営者が考え、実践していることと同じである。これは「勤務医」にない大きなストレスである。
 精神的にも肉体的にも非常に負荷のかかる仕事である。自分以外に頼れるものはいないので、健康管理には十分気を付ける必要がある。その為に開業してからサプリメントの摂取などを始めたり、炭水化物の摂取量などにも気を付けている。このストレスに耐えながら継続的に物事をやり遂げるものが「開業医」ではないかと思う。ただこれらの努力を経て得た収益に関しては感慨深いものがあるし、それが増収となればモチベーションは一段と高まる。
 「開業」に関することを医学部の講義で学ぶことがないのは寂しい限りである。
 今後も私は1人の医師であると同時に1人の経営者でありたいと思っているし、そして収益にはこだわっていきたいと思っている。
 優秀な経営者になるべく粉骨砕身頑張りたいと思っている。