新規個別指導も乗り切り順調に

梅川クリニック(都島区)
院長 梅川 徹

 昭和63年に近畿大学医学部を卒業後、20年以上大学病院で勤務してきました。正直なところ、大学で研究や臨床をこの先も続けたかったのですが、50歳を過ぎての開業となりました。幸いご縁があり、都島で開業させていただくことになりました。
 2014年6月に谷町線都島駅近くに泌尿器科のクリニックを開業しました。レントゲン設備や内視鏡は用意せず、軽装備の小さなクリニックを目指しました。駅を挟んで徒歩5分ほどのところに、市立総合医療センターがあります。はっきりと差別化・役割分担を図りたいという気持ちがありました。開業して半年少し、事故なく実績も伸びてきて一時の漠然とした不安は無くなりました。
 大学病院勤務の時は、診療以外のことは周りの方々が熱心に助けてくれました。レセ関係の業務や面倒な事などは、多くの事務の方々がやってくれていました。開業しますと、レセプト点検は基本的には自分でするべき仕事になります。レセプトに対して理解を深めることが、日常の保険診療においても役立ちます。
 開業しますと孤独で単調な作業も多く、病院勤務時の状況とはずいぶん違います。しかし、案外、勤務医時代の方がよかったなあとは思いません。少し強がりも入っていますが、結構楽しくやれています。これほど自分が順応性に富むとは、驚いています。
 開業するまで、大阪府保険医協会という組織の事は知りませんでした。正直なところ開業する際に知人に勧められて、“それじゃあ”という感じで入会しました。するとしばらくしまして、いろんな勉強会の案内をいただきました。いくつかのセミナーに参加させていただき驚いたのは、受講料は無料なのに内容がすごく濃いことです。多彩なセミナーを開催されていますので、都合をつけて積極的に参加されることをお勧めします。
 開業後約半年で行われる近畿厚生局による新規個別指導を、先日に終えました。結果はまだですが、印象としては大きな問題なく対応できて大変安心しています。大阪府保険協会では、新規個別指導を想定した勉強会を行っていますので、対象となる先生方は必ず参加してください。
 具体的には近畿厚生局から実際の指導日の案内が来ましたら、真っ先に保険医協会へ電話し具体的な相談を始めます。つまり大阪府保険協会の担当の方に、クリニックへ来ていただく日程を打ち合わせします。その間に、自分自身で先の勉強会の内容に沿った形で必要なカルテ整理を進めていきます。私の時には保険医協会Kさんがお越しくださいました。約2時間にわたって、カルテを含む各種書類を丁寧に点検くださり、指導・アドバイスをくださいました。
 近畿厚生局の新規個別指導を控えて心細い中、あまりに一生懸命に指導くださいますので、涙が出るほどありがたかったです。いただいた指摘の中には、すでにある程度の対応ができているものも不十分なものもありました。レセがすでに先方に出てしまっていますので、今更どうしようもない部分もあります。もし不十分なものがあればそうであることを認識し、今後どのようにしていくべきかを押さえておくことが重要です。予期せぬ点を指導の際に指摘されて、右往左往した上で失言をすることは避けねばなりません。
 今回選ばれた10名のうち2~3人に関しては、想定問答がぴたりと合っていました。これらに対しては、練ったうえで最善の答えを用意しおりましたので動揺せずに切り抜けました。自己流を貫き大阪府保険医協会さんのお世話になっていなければ、どうなっていたか想像もつきません。
 昨年夏に開業して半年、新規個別指導を終えて無事に春を迎えます。今後とも大阪府保険医協会さんには、様々な局面でご指導いただけますようお願いします。